温泉が疲労回復に効果があるというのは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
体が温まり、血液循環が良くなるからです。
でも、それだけではないのです。
疲労回復には入浴刺激によって、ストレス蛋白または生体防御蛋白といわれるものが誘導されます。
それがヒートショックプロテイン(Heat Shock Protein;以下HSP)というわれるものです。
体の多くはタンパク質から構成されています。
HSPはこれら損傷を受けたタンパク質を修復する作用があります。
HSPには分子量によって様々なものがあります。
有名なものにHSP70があります。
分子量70,000で熱ストレス、運動ストレスによって誘導されるHSPです。
HSPはストレスで誘導されますが、ピークは2日後で、1〜4日間増加は持続します。
ですから、疲れを取りたい日の前日よりも実はその2日前の方が効果があります。
効果が後日出てくるというのは面白いですね。
ただ、毎日入っていれば、加算されるような感じになりますので、そこまでターゲットの日を決めなくてもいいかもしれません。
スポーツ選手などでは試合の直前ではなく、日程を逆算してHSPを誘導するということもしているようです。
これは、予備的に準備をするという考え方ですね。
ちなみにHSPは運動でも増加しますが、運動の頻度は重要です。
研究で示されているのは、30分/日を2週間継続するといいとされています。
疲労回復、免疫力アップにはHSP!つまりは運動と温泉ですね!
参考文献;伊藤要子,温泉・温熱の先端化学をリハビリテーションへ,第47回 日本リハビリテーション医学会 学術集会,2011