Fountain Quality 泉質


温泉について科学的な検証が始まったのは、ドイツで1980年代に入ってからと言われています。ドイツで医療保険の適応になっている泉質は4つ。日本でも有名な主要なものです。(2019年現在は医療保険で認められる確率はかなり低くなっているそうです。)

  1. 二酸化炭素泉
  2. 硫黄泉(硫化水素)
  3. 放射能泉
  4. 塩化物泉

二酸化炭素泉

炭酸ガスが多量に含まれている。抹消血管を拡張させ血流を増加させる作用がある。

硫黄泉

硫黄と水素が結合したもの。卵の腐敗臭のような独特の香りがある。やはり血流の改善が見込める。硫化水素ガスは有毒で換気が必要である。

放射能泉

ラドンやラジウムなどの放射性物質を含む温泉。消炎や抗アレルギー作用などが報告されています。

塩化物泉

文字通り塩を含む。皮膚に塩が付着して、発汗を防ぎ温まりやすく冷めやすいのが特徴。皮膚が弱い人には注意が必要。


この他にも含鉄泉、含ヨウ素泉、酸性泉など、様々なものがあります。

ORP(Oxidation-Reduction Potential;酸化還元電位)


ORPとは?

  • 物質(水)の電位の活量(濃度)を電位として表し、「酸化系」「還元系」「平衡系」のどの状態かを測定する方法。
  • 天然温泉は全て還元系。
  • 塩素を添加すると天然温泉は酸化系に変質してしまう。
  • 人の肌も血液も還元系。

詳しくは水・温泉ORP評価協会のHPへ。

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温泉入浴が尿酸排泄に及ぼす影響について
温泉入浴が尿酸排泄に及ぼす影響について.pdf
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ORPによる水の評価
新たな水の評価法.pdf
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還元系温泉の論文
還元系温泉水入浴が皮膚に与える効果.pdf
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温泉分析掲示表の見方


温泉の成分は10年に一度分析することが温泉法において義務付けされています。私たち利用者は、各温泉地でその結果を掲示表で確認することができます。そこには様々な情報が書いてあり、そこからその旅館や施設を信用していいのか、どのような泉質で特徴があるのかなど知ることができます。

まずは、温泉法で何が規定されているかを、改正時のあらましを読んで確認してみましょう。

 

  1. 源泉名
  2. 温泉の泉質
  3. 源泉及び温泉を公共の浴用又は飲用に供する場所における温泉の温度
  4. 温泉の成分
  5. 温泉成分の分析年月日
  6. 登録分析機関の名称
  7. 浴用又は飲用の禁忌
  8. 浴用又は飲用の方法及び注意
  9. 温泉への加水の有無及び理由
  10. 温泉の加温の有無及び理由
  11. 循環・ろ過の有無
  12. 入浴剤・消毒の有無及び理由
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温泉法改定のあらまし
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法改正までは定期的な分析は義務付けられていませんでした。そのため、水道水に入浴剤を入れて温泉表記した例や、湧出が足りずにほぼ加水で温泉と言っていた旅館などが相次ぎ、温泉偽装ならぬ状態が続いていました。法改正によって、少しはその襟を正すきっかけにはなっていると思います。